Qiskit Advocateになるために準備すべきこと徹底解説

量子コンピュータをこれから学ぼうと思っている方はもちろん、ある程度勉強してきた方にとっても何か目標を持って取り組むことはとても大切です。

一方でこんなことを思った方も多いと思います。

でも具体的にどんな目標立てればいいのかわからないよ。。。

そこで今回はQiskit Advocateという量子コンピュータに関するグローバルの認定制度についてご紹介します。

私は2021年にこちらの認定をいただきましたが、その一年前は量子コンピュータについてほぼ初心者でした。その経験も踏まえてご紹介していきます。

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Qiskit Advocateとは

Qiskit Advocateとは量子コンピューティングのSDKであるQiskitのコミュニティに対して貢献度の高い人に与えられるグローバルの認定です。(現在日本人は10-20名程度)

Qiskit Advocateになると公式ページに掲載されるので、外部に対して実績を発信するのに最適です。

また、Qiskit Advocateに認定されることで以下の特典が受けられるようになります。

  • 量子コンピューティングのエキスパートとのネットワーキングができる
  • Qiskit開発のコアメンバーとの交流やプロジェクトに参加することが出来る
  • Advocate限定の特別なイベントに招待される

Qiskit Advocateの認定条件

Qiskit Advocateの認定を受けるためには年に一度の募集時(例年6-7月)に、要件を満たした状態で申請して受理される必要があります。

要件は年によって変化することもありますが、2022年現在では以下の二つです。

  1. Qiskit Developer Certificationの取得
  2. Qiskit Communityへの貢献活動(20pt以上)

それぞれについて説明します。

Qiskit Developer Certificationの取得

まず初めに量子コンピューティングの認定資格であるIBM Certified Associate Developer – Quantum Computation using Qiskit v0.2X (Qiskit Developer Certification)の取得が必要です。

これはQiskitの実装に関する知識を問う試験で他のIT資格と同様に択一形式の試験です。

実技試験ではないので高度なプログラミング能力を求められるわけではないですが、設問が量子コンピューティングの一般論ではなくQiskitの実装に関する問題のため、ある程度の勉強が必要です。

試験の内容や対策についてはこちらでまとめているのでご覧ください。

ここで気を付けたいのが、資格試験の取得=Qiskit Advocateではない点はご注意下さい。あくまで資格取得が要件の一つになります。

なお、Qiskit Advocate取得予定の方には申請すればバウチャーが発行されて無料で受験することが出来るので、こちらを読んで記載のリンク先から申請してください。

Qiskit Communityへの貢献活動

2つ目の要件はQiskit Communityへの貢献活動です。簡単に言うとQiskitを広めるための活動(OSS Contribution、記事作成、イベント登壇、論文投稿など)を行ってくださいということです。

貢献活動は様々な形で関わることが出来て、それぞれの活動に対して一定のポイントが付与されています。以下は応募要項の内容から抜粋して日本語に訳したものになります。

Tier 1 (12-15 points)
•大きなOSS Contribution: 新機能開発, テキストブック執筆), チュートリアル作成
•研究論文の投稿
•ハッカソンなどイベントにおけるWinner
•翻訳:Platinum/Gold level

Tier 2 (8-12 points)
•網羅的にトピックを扱っている個人のQiskitプロジェクト(GitHubなど)
•クラブ・勉強会の立ち上げ
•ハッカソンの企画運営
•人気のコンテンツ発信:ブログサイト、YouTubeチャネル、Podcastシリーズ
•翻訳:Silver/Blonze level

Tier 3 (4-8 points)
•シンプルなOSS Contribution: 簡単なバグフィックス
•コンテンツ発信:ビデオ、ブログ、スピーチ、ワークショップ
•比較的シンプルな個別のQiskit project
•IBM Quantum/Qiskitイベントでのアクティブな参加者

Tier 4 (1-4 points)
•テキストブックやチュートリアルのタイポ修正
•Qiskit Slackでの建設的な議論

こちらを見るとTier1,2はかなりハードルが高そうですね。
私達一般ユーザーはTier3,4の積み重ねで20pt稼ぐのが一般的だと思います。

私の場合は本ブログでのQiskitの実装記事とテキストブックの翻訳のマージ、あとはイベント登壇時のYoutube動画何本かなどで申請を出しました。

ブログを運営している人はそこまで多くないと思うので、Qiitaなど気軽に記事を投稿できるサービスに勉強したことを記事にしてみましょう(Tier3)!

Tire毎にポイントにばらつきがあるのは同じカテゴリの貢献活動でも内容によって濃さが違うためだと思います。貢献活動のポイントは申請後にレビューされるので多少余裕をもって活動しておくといいですね。

まとめ

以上量子コンピューティングのグローバル認定であるQiskit Advocateの紹介と認定条件についてご紹介しました。

現時点で高い技術力を持っている必要はなく、より外に発信してくれる人を歓迎していると思うので小さなことでもいいので学んだことや気づきをQiitaなどで発信してみてください!

2022年の応募条件は公開されているので、最新情報を知りたい方はQiskitのSlackチャネルに参加しましょう!

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