量子コンピュータをプログラミングして動かしてみたいのですが、ライブラリがたくさんあって一体何を使ったらいいかわかりません。
以上のような量子コンピュータのプログラミングライブラリの選定についてのお悩みを解決します。
私も始めはよくわからないまま勉強していましたが、1年ほど今の環境で勉強して量子コンピューティングの資格を取得できました。
そこでこの記事では、量子コンピュータ初心者向けに、量子コンピュータのプログラミングのために利用すべきライブラリを紹介します。
Qiskitを利用しよう
まずこれからみなさんが量子プログラミングを行う場合はQiskitを利用することをおすすめします。
というのも、Qiskitは初心者の方が新しく量子コンピュータのプログラミングを学ぶにあたって重視したい以下の点を満たしているからです。
これらの点について説明します。
学習コストが比較的低い
他の多くのライブラリにも当てはまることですが、QiskitはPythonをベースとしたライブラリです。Pythonはプログラミング言語の中でも習得難易度は低く、プログラミング初心者が初めて学習する言語としてもよく採用されているため、Python自体に馴染みがなくてもハードルはそれほど高くないです。
またPythonは数値計算のライブラリも豊富でデータサイエンスやAIなどの分野でもよく使われているため、他の分野から量子の分野に参加するという場合でも対応しやすいです。
実際の量子コンピュータを動かせる
こちらは非常に大切な点で、Qiskitは実機の量子コンピュータに対して命令を下すことができます。
え、量子コンピュータをプログラミングしてるんだから当たり前じゃないの?
と思われる方も多いと思いますが、実は量子プログラミングのライブラリの実行には2通りの方法があります。
- 実機の量子コンピュータで計算を行う
- 古典コンピュータ上のシミュレータでプログラムを解釈して計算を行う
実機で計算結果を確かめることはもちろん大事ですが、現在の実機の性能はまだまだ古典コンピュータには及ばないので、実機に計算を行わせるよりも手元のシミュレータを使って計算したほうが速くて正確という事情があります。
そのため、シミューレータに特化して開発されたライブラリも多いのですが、Qiskitは実機・シミュレータどちらにも対応しているため、用途に応じて使い分けることが出来ます。
さらに、Qiskiの開発元であるIBMは量子コンピュータを一般向けに無償公開しているので、自分で書いたプログラムを実機の量子コンピュータ上で実行させることができる点も大きな特徴です。
学習のための教材が豊富
また、Qiskitは学習用の教材もかなり豊富に用意されています。通常ライブラリの使い方というとドキュメント片手に試行錯誤といったイメージですが、ドキュメントやチュートリアルの他にテキストブックという形で量子コンピュータをQiskitを通して体系的に学べる教材もあります。
こちらのテキストブックは日本のコミュニティの活動で日本語化もされているので英語に抵抗がある方でも勉強できるようになっています。コンテンツもアップデートされ続けている点も安心です。
疑問点があったときに質問できる環境がある(コミュニティが活発)
最後も大切な点で学習を進めていて困ったことやわからないことがあったときに、質問できる場所があると心強いですよね。Qiskit CommunityではSlackを使って世界中のQiskitユーザーとつながることが出来ます。
Slack内では世界中の様々なユーザーが日々ディスカッションや質問をして量子コンピュータというものを学んでいます。Slackなので気軽に参加して議論や質問の内容を眺めるだけといった関わり方も全く問題ありません!
まとめ
この記事では、量子コンピュータのプログラミングライブラリの選定についてご説明しました。
では実際にQiskitを使ってどのようにプログラミングを始めればいいのかと思った方は後日投稿する記事をお待ち下さい!
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